牛乳を飲めば身長が伸びるは間違った情報だって知っていますか?
日本では牛乳を飲めば身長が伸びる。
そう考えている人が多く、幼少期から嫌いな牛乳を無理やり飲まされたり、大量に牛乳ばかりを飲んでいたなんて人もいるでしょう。
しかし牛乳を飲むだけで、子供の身長が伸びるというのは間違いで、牛乳で摂取できる栄養素やその吸収率などを考えると誤解だということがわかります。
牛乳と身長の関係をまとめ解説しますので、牛乳を飲めば子供の成長に役立つと考えているお母さんはこの記事を読んでくださいね。
Contents
牛乳だけを飲んでいても子供の身長が伸びるわけではない
牛乳を飲めば身長が高くなると言われ、私達親世代が子供の頃には大量の牛乳を飲んで過ごしていたなんて経験がある人も多いかもしれません。
うちの旦那さんもまさにその世代で、
中学生の頃は夏でも冬でも1日1リットルの牛乳が基本で、夏になると一人で毎週1リットルの牛乳パックを10本も飲んでいたそうです。
夏はそれでも体調に問題がなかったものの、
冬の朝に牛乳を飲むと、2時間の休み時間までにトイレに駆け込むことが多かったけど、それ以上に身長が高くなりたかった・・・と懐かしそうに語っていました。
牛乳を飲むだけで子供の身長が伸びるのかと言われればそれは大きな誤解で、戦後の日本人が間違った認識をしたことがきっかけだったようです。
どんな誤解をしたのかといえば、
進駐軍で日本に来たアメリカ人が背が高く、牛乳を良く飲んでいたので、同じ食生活になれば日本人も背が高くなるという誤解から始まったという説があります。
確かに牛乳には豊富な栄養素が含まれていますが、実際にどのような栄養素をどのくらい摂取できるのか知っていますか?
牛乳を飲むことで摂取できる栄養素の種類と量は?
全国飲用牛乳公正取引協議会の公式サイトで紹介されている牛乳の栄養成分表を参考に紹介すると・・・
100gの牛乳で摂取できる栄養素は、
成分名 | 栄養価 |
エネルギー | 67Kcal |
水分 | 87.4g |
タンパク質 | 3.3g |
脂質 | 3.8g |
炭水化物 | 4.8g |
灰分 | 0.7g |
カルシウム | 110mg |
リン | 93mg |
ナトリウム | 41mg |
カリウム | 150mg |
ビタミンA | 39mg |
ビタミンB1 | 0.04mg |
ビタミンB2 | 0.15mg |
わずかこれだけしか栄養素を摂取できません。
牛乳の成分の87%以上が水分で構成されていますので、そこまで栄養価の高い飲み物というわけではありません。
毎日朝晩で500mlの牛乳を飲んでも、
カルシウムは550mg、タンパク質は16.5gしか摂取できないということ。
ちなみに牛乳のカルシウムの栄養吸収率は40%ほどなので、220mgのカルシウムしか体内に吸収することができないということです。
ちなみに厚生労働省が考えるカルシウムの摂取推奨量は、
- 10〜11歳:男子700mg、女子750mg
- 12〜14歳:男子1000mg、女子800mg
- 15〜17歳:男子800mg、女子650mg
男女ともに摂取推奨量の4分の1〜5分の1程度しか摂取できませんので、そこまで効率的に栄養補給ができるわけではありません。
牛乳のカルシウムの作用に骨を伸ばす効果はない
さらに知っておくべきことは、
牛乳に含まれているカルシウムは骨を健康で丈夫にする作用はあるものの、骨を伸ばす際に使われる栄養素ではありません。
だから牛乳だけを飲んでも骨を伸ばすことができずに、気づけば成長に必要な栄養素が不足してしまう可能性があるということ。
健康で丈夫な骨作りに牛乳は役立ちますが、
もし牛乳を飲ませる目的が効率的に身長を伸ばすことであれば、牛乳だけを飲んでいるだけでは無理でしょう。
子供の骨を伸ばすためには、
タンパク質を構成するアミノ酸をバランス良く摂取することが必要ですが、500mlの牛乳を飲むことで、お腹いっぱいになり食事が摂取できなければタンパク質不足になることも考えられます。
タンパク質とカルシウムを摂取するなら、牛乳よりも小魚や魚介類などを摂取したり、良質なタンパク質が豊富な大豆製品を活用すると良いでしょう。
納豆や豆腐、きなこなどには植物性タンパク質が豊富ですし、脂質やカロリーが低く、健康面でも効果が期待できますのでおすすめです。
牛乳を飲めるようにする身長サプリメントも効果なし。
小さな子供向けの身長サプリメントに多いのが、ココア味などの甘い味付けにして牛乳を飲めるようにするタイプの商品。
これらの商品の特徴として、
カルシウム・ビタミンD・鉄分の栄養機能食品であり、甘い味付けで牛乳嫌いな子供でも牛乳を飲めるようにしているという点があります。
確かに小さな子供に牛乳を飲ませることは、
健康で丈夫な子供に成長させるためには全く効果がないとは言いませんが、身長を伸ばすという意味ではほぼ効果なし。
タンパク質を摂取できなければ、
新しい骨を作って伸ばすことができませんので、どれだけ牛乳を飲んでも、カルシウムが栄養機能表示できていても意味はありません。
ここを誤解しているお母さんも多いのでしっかり理解してくださいね。
また最近の子供には乳糖不耐症という牛乳を飲むとお腹が下ってしまう人が増えていますので、乳糖不耐症の子供に牛乳を飲ませることは完全に逆効果です。
下痢や軟便になってしまう状態は、
本来なら腸で様々な栄養素を吸収するはずなのに、それができないまま体外に排泄してしまうということ。
それでは牛乳以外の食事で摂取した栄養素も体内に吸収して活用することができませんので、丈夫で健康な体作りにも悪影響が出ます。
そういったこともありますので、
牛乳だけに頼るのではなく、成長に必要な栄養素を見極めて何を摂取させるのかをしっかり考えてあげるのが良いでしょう。
牛乳を飲めば身長が伸びるは間違いの記事まとめ
この記事では日本人の多くが誤解している牛乳神話について、実際に摂取できる栄養素から考えた新常識を紹介しました。
- 牛乳だけを飲んでいても子供の身長が伸びるわけではない
- 牛乳を飲むことで摂取できる栄養素の種類と量
- 牛乳のカルシウムの作用に骨を伸ばす効果はない
- 牛乳を飲めるようにする身長サプリメントも効果なし
牛乳だけで子供の身長は伸びません。
体質的に牛乳を飲めない子供に無理やり飲ませることは、健康上のメリットがなくデメリットしかありませんので、そういったことは避けましょう。
牛乳はあくまでの骨の健康に良い栄養素を補給できる食材のひとつですので、牛乳だけに頼り切った食生活を送るのは避けてくださいね。
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