栄養機能食品で子供の身長は伸びないし、伸ばす効果なしって本当?
栄養機能食品のサプリメントを子供に飲ませても、身長は伸びないし、伸ばす効果なしだという噂がありますが本当なのでしょうか?
最近は市販の身長サプリメントが多く、
栄養機能食品や栄養補助食品だから効果があるような宣伝を行っているメーカーや製品もありますよね。
栄養機能食品とはどのような基準で認可されている商品なのかということを解説しながら、実際に子供に飲ませることで得られる効果を確認していきましょう。
Contents
栄養機能食品とはどういう基準や特徴がある製品なのか?
栄養機能食品を管轄するのは消費者庁です。
消費者庁が管理している栄養機能食品の条件とは、ビタミンやミネラルなその栄養成分の補給のために利用される食品で、栄養機能の成分を有するものと定義されています。
少しわかりにくい表現かもしれませんが、
簡単に言えば、ビタミン類とミネラル類の補給に役立つ健康食品のこと。
栄養機能食品として販売するための条件としては、
- 栄養機能食品として決められた栄養素を摂取できること
- 国が決めた基準の下限値と上限値の範囲内に収めること
- 栄養機能表示+注意喚起表示を行うこと
この3点をしっかり守ることで、どのようなメーカーの製品でも栄養機能食品として販売することができます。
栄養機能食品と特定保健用食品(トクホ)を混在している人も多いですが、トクホと栄養機能食品は全くの別物だと理解しましょう。
実際にどう違うのかは後ほど紹介しますので、その前に栄養機能食品として販売する際の注意点を紹介します。
栄養機能食品の表示に関する注意点とは?
栄養機能食品の定義は、あくまでも特定の栄養素(ビタミン類やミネラル類)の栄養補給に役立つというもの。
だから、必要以上の表示や記載を栄養機能食品のパッケージに行うことができません。
栄養機能食品に禁止されている表示は、
- ダイエット効果がある
- 疲れ目の改善に役立つ
- 消費者庁長官認定商品
特定の保健用途があるような表現や効果や効能を謳うことや、消費者庁長官が認可した商品であるという表現。
実際にできる表現としては、
栄養機能表示をする栄養成分の名称を「栄養機能食品」の表示に続けて表示したり、記載すること。
これしかできない理由が、栄養機能食品と特定保健用食品が制度上も大きく違うから。
栄養機能食品と特定保健用食品(トクホ)の違いとは?
トクホ認定マークがついている商品の特徴は、
消費者庁長官が個別に商品の効果や効能を審査して、認定している商品だという部分。
特定保健用食品として認可されるのには、
血圧や血液中のコレステロールなどを正常に保つことを助けたり、お腹の調子を整えるのに役立つなどの特定の保健の用途のために利用することができる商品であることが必要です。
特定保健用食品として申請が合った商品は、
商品ごとに個別審査を行って、その効果や効能を実証できなければ、トクホとして販売する事も製造することもできません。
しかし栄養機能食品は、個別に審査を行っているわけではなく、摂取できる栄養素が基準内に収まっていればよいという少し軽いもの。
成分の検査も自社検査で行うことで問題なく、実際に消費者庁に商品を提出したりする必要もありませんので、どんな会社でも使うことができる特徴があります。
特定保健用食品と栄養機能食品は似たような印象を持っている人が多いですが、実際の制度や条件に当てはめてしまうと、全く異なるものだということがわかります。
ちなみに特定保健用食品に似たものに、『機能性表示食品』という基準がありますが、これも特定保健用食品よりも緩やかな制度に当てはめたもの。
機能性表示食品も個別審査はなく、
最終製品を使って、人での試験または文献や論文を引用することで科学的に根拠を示すことができれば、使うことができる基準ですが、やはり特定保健用食品よりも劣ると理解しましょう。
いくつも似たような制度や基準がありますが、唯一個別に調査を行って、消費者庁長官の承認を得ているのが、特定保健用食品(トクホ)の特徴です。
栄養機能食品に定義されている栄養素とは?
ここまで解説したことで、栄養機能食品・特定保健用食品・機能性表示食品という似たような基準の違いもわかったと思います。
実際に栄養機能食品に当てはまる栄養素や成分にはどのようなものがあるのかを紹介すると・・・
成分名 | 下限値 | 上限値 |
亜鉛 | 2.10mg | 15mg |
カルシウム | 210mg | 600mg |
鉄 | 2.25mg | 10mg |
銅 | 0.18mg | 6mg |
マグネシウム | 75mg | 300mg |
ナイアシン | 3.3mg | 60mg |
パントテン酸 | 1.65mg | 30mg |
ビオチン | 14μg | 500μg |
ビタミンA | 135μg | 600μg |
ビタミンB1 | 0.30mg | 25mg |
ビタミンB2 | 0.33mg | 12mg |
ビタミンB6 | 0.30mg | 10mg |
ビタミンB12 | 0.60μg | 60μg |
ビタミンC | 24mg | 1000mg |
ビタミンD | 1.50μg | 5μg |
ビタミンE | 2.4mg | 150mg |
葉酸 | 60μg | 200μg |
ここまでの情報で栄養機能食品では、子供の身長が伸びないとわかったなら、非常にすばらしいと思いますが、なぜ伸びないのかを専門家の意見も交えて紹介します。
日本小児内分泌学会も栄養機能食品では身長が伸びないと断言
日本小児内分泌学会とは、
低身長の子供の治療を専門に行っている医師団体のことで、医療現場で疾患等が原因の子供と向き合っている医師が所属しています。
日本小児内分泌学会が2013年に、
『「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解』という公式文章を公表していますので一部抜粋して紹介すると・・・。
カルシウム、鉄、ビタミンDを含んだサプリメントでは、子供の身長を伸ばす効果を実感できないと名言。
現在の日本の栄養状況を考えると、
これらの栄養素が不足して成長に悪影響を与えることはあまり考えられず、サプリメント等による過剰摂取の方が問題になる可能性が高いこと。
栄養要素の不足がない場合には、
これらの栄養機能食品を投与しても成長促進するという科学的なデータは存在しないとまで断言しています。
ちなみにカルシウムもビタミンDも鉄分も、どれも骨の成長には必要な栄養素ですが、骨を伸ばすのではなく、骨を健康で丈夫な状態にするために必要な栄養素。
栄養学的に考えても、栄養機能食品で摂取できる栄養素には、骨を伸ばす作用のあるタンパク質が含まれていませんので、効果なしというのも当然のことでしょう。
これが栄養機能食品を飲んでも、
子供の身長を伸ばすことができないということの科学的・医学的な証明ですので、間違ってもそういった商品を選ばないようにしましょう。
栄養機能食品では子供の身長は伸びないの記事まとめ
栄養機能食品という名称がついていると、
いかにも効果や効能がありそうですし、子供の成長に役立つのではないかを思いがちになりますが、実際には全然違うことがよくわかったと思います。
小さな子供向けの身長サプリメントには、
栄養機能食品だからとか、栄養機能表示しているから効果や効能が高いと誤解するような表現で販売されている商品も多いので注意しましょう。
- 栄養機能食品とはどういう基準や特徴がある製品なのか?
- 栄養機能食品の表示に関する注意点とは?
- 栄養機能食品と特定保健用食品(トクホ)の違いとは?
- 栄養機能食品に定義されている栄養素とは?
- 日本小児内分泌学会も栄養機能食品では身長が伸びないと断言
法律でしっかり制定されていることも、
私たち消費者がその本質の部分を知らないことで誤解してしまいますので、そういったことがないようにすることも大切です。
この記事をしっかり読んだ人なら、
栄養機能食品の本当の姿がわかったと思いますので、身長を伸ばすよりも、健康面に役立つ栄養補給ができる商品だということもわかったはず。
くれぐれも栄養機能食品をお子様に飲ませる際には、必要以上の効果や効能を期待してはいけないことを忘れないでくださいね。
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